筒井　満夫さん

「患者さんもここが痛い、辛い、って話はしてくれるけど、痛いところが必ずしも悪いとは限らない。必要な情報は、患者さんの身体が教えてくれる」。

筒井満夫さんは、患者さんの立った姿を見るだけで、触らなくてもある程度はどこが悪いのか分かるという。「常連さんなら待合室にいる姿だけで、ああ今日はここだなって伝わってくる時もあるんだよね」。軽く払うような仕草をしただけで、伸びなかったひざが伸びる。まるで魔法のように見える治療は、筒井さんが長年積み重ねてきた努力と探求の結果だ。

開業して30年、きまったスタイルに拘泥せず、新しい理論や技術を積極的に学び続けてきた。今でも毎日新しい発見がある。「今の自分に必要な知識や技術はなんなのか、それも患者さんの身体が教えてくれるんです」。

大事にしていることは？という問いに、筒井さんは「心」と即答した。「結局、心と心なんだよね。患者さんの心と私の治したい心とがつながる。簡単なことなんですよ」。