水越 由実さん

水越 由実さん

2018年昼間部卒業 訪問マッサージ会社勤務

それでも私は専門の学校へ進学を決めた

【ロングインタビュー】
高校を卒業した後に、どのような進路を選択すれば良いか迷うことも多いだろう。もしも自分が希望する進学を親や先生に反対されたら・・・。

そんな時、先輩たちはどのようにして進路を選んだろうか。

今回は「長生学園卒業生 水越さん」に、親に反対された進路をどのように貫いたのか、話を聞いた。

***
「親には警察官を勧められ、先生には大学を勧められました。」

そう話してくれたのは、マッサージ師の水越さん。都内の高校を卒業後、あん摩マッサージ指圧師の資格を取るため、長生学園に入学。2018年3月に卒業し、現在は訪問マッサージの企業に就職しマッサージ師として働いている。

周囲の反対を押し切ってまで、マッサージ師を目指した彼女。昔からマッサージ師になりたかったのかと聞くと、そうではなかったそうだ。

「小学生の頃からスポーツが得意で体格も良かったため、親からは「将来は警察官だな」とずっと言われてきました。警察官は安定した職業という理由もあったと思います。自分自身も警察官になると思っていて、高校入試の面接でも警察官になるために大学進学します、と言っていました。」

警察官になる時に有利だからという理由で部活は剣道部に所属するほど、将来は警察官になること早くから決めていた。

きっかけをくれたのは友だちとの会話

そんな彼女の考えに変化が起こったのは高校2年生の頃。友だちと将来の話をしていたことがきっかけだった。

「友だちと進路の話になった時に、ある友達は保育士になりたいから専門学校に行くとか、また別の友達はデザイナーになりたいから美術系の学校に行くと言っていました。起業したいから大学に進学するっていう友達もいました。」
「今まで自分は警察官になると決めていたけど、他にも色々な職業があるじゃないか!と思い、慌てて自分に合う職業を探し始めました。」

警察官は安定した仕事かもしれないが、責任感を持って市民の安全を守る大変な仕事。改めて将来を考えて、両親が言うからという理由で警察官を選んだ自分にまっとう出来る仕事なのか悩んだそうだ。

自分が好きなことを仕事にする

様々な仕事を調べていくうちに「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格にたどりついた。これからの超高齢社会に向けて、リハビリ施設や老人ホームでのニーズも高まっており、将来性のある仕事だと思った。ただ彼女がマッサージ師を目指した理由は、職業の将来性だけではない。

「実は中学生の頃、趣味で友だちのマッサージをしていました。友だちからも上手いと評判で。その時の友だちにマッサージ師になりたいと話をしたら、得意でやっていたことが仕事になるなんて凄い!と喜んでくれました。」

友人の応援もあり、マッサージ師として手に職をつけて、将来は独立したいと考えた。自分の考えをまとめ、将来に向けてあん摩マッサージ指圧師の資格が取れる専門学校へ進学したいことを両親に話した。

「案の定、親には猛反対されました。向いてないとも言われ、警察官の方が安定した職で良いのではないかと説得されました。」

なかなか両親を説得できずに高校の先生に相談をしたところ、専門学校ではなく鍼灸の大学を勧められた。

「先生としては大学に進学して欲しかったみたいです。専門学校にはあんまり詳しくはないようでした。それでも調べてくれて、三者面談の時には鍼灸の大学を父親に勧めてくれました。学校の事情もあるだろうけど、私はあん摩マッサージ指圧師の資格が取りたかったので、三者面談はまとまらなかったですね。」

結局、高校卒業のタイミングで一度警察試験を受けること、学費は自分で払うことを条件に長生学園へ進学をなんとか認めてもらえた。教育ローンを借りて、足りない分は自分でアルバイトをして学費にあてた。

大学に進学した同級生がキャンパスライフを謳歌しているのを横目に、彼女は国家試験の勉強とアルバイトばかりの学生生活だったという。もし両親や先生の言う通りに進学をしていたら、こんなにも苦労をすることは無かったかもしれない。

「長生学園に進学をすると決めた時、苦労するだろうとは思った。それでも将来を見据えて、自分が一番頑張れそうなことを進路に決めた。生きていればどこかで苦労すると思う。渋々警察官になるよりも、やりたいと思えるマッサージ師の仕事の方が自分は頑張れる」

アルバイトが大変な時でも、可能な限り遅くまで学校に残って勉強を続けた。もう勉強についていけないかもしれないと思う時もあったが、同じ志を持つ学校の同級生たちに助けられたという。結果、国家試験に無事合格し、目指していたマッサージ師になることができた。

好きな職業についたから目標を持てる

現在は訪問マッサージの企業に就職し、憧れのマッサージ師として勤めている。日々仕事をする中で、マッサージ師の将来性も実感している。

「就職をして社会の様々なことを知りました。今後さらにマッサージ師の需要は増えるだろうなと感じます。今後はもっと長生の技術を学んで、いずれは独立して自分の治療院を持てるようになりたいです。好きなことを仕事にできたから、次から次へと目標が持てるのだと思います。」

仕事以外にも、休みの日には母校長生学園付属の治療院で研修している。そんながんばる彼女をみて、反対し続けていた両親もようやく考えが変わったそうだ。

「実は一度受けた警察試験は、一次試験を合格していました。そのせいもあって、進学してからもしばらく「警察官の方が良いじゃないか」と言われていました。でも社会に出てマッサージ師として働く姿をみて、両親も応援してくれるようになりました。」

高校生の時点で進路を決めるのはなかなか難しい。自分の将来をじっくり考えて、もしやりたいことが見つかったらぜひ飛び込んでみてほしいと水越さんは後輩にエールを送る。

自分の希望を推して進学し、好きなことを仕事にすることが出来た。その道のりは決して簡単ではなかったかもしれない。それでも自分の意志を貫いた進学は、なりたい自分の将来に繋がっているに違いない。

Copyright (c) 2024
長生学園【あん摩マッサージ指圧師の資格取得ができる専門の学校】
All Rights Reserved.